みなさんこんにちは。
前回は微分方程式についてほんわか紹介をしましたが、今回は微分方程式の代表的な例の1つである変数分離形というものを扱っていきたいと思います。
4月に大学(理工系学部)に入学しておそらく多くの大学では1年次に微分積分学や線形代数学などの大学教養数学を扱うと思います。初学者のかたはビビらずに頑張ってほしいとおもいます。今の高校生は数学C(主に行列)が今はないのでその状態で線形代数に突入していくのは少し難しいかもしれませんね。
1.変数分離形微分方程式とは
変数分離形の微分方程式とは、
のように、
y'=(xの関数)×(yの関数)の形で表すことができる微分方程式のことを言います。
また、
y'=y
という微分方程式もp(x)=1となる変数分離形の微分方程式と言えます。
変数分離形の微分方程式は代表例の1つですが、うまく変形すれば多くの微分方程式が変数分離形で解けてしまう事、そもそも解くのが簡単であることから、結構重要なものと思いますので紹介させていただきました。
次に変数分離形の解法を簡単に示します。
2.変数分離形微分方程式の解法
微分方程式の解法ですが、とてもシンプルでやる作業はおおまかにたったの
2つ
だけなんです。
① のように2つの変数を左辺と右辺に分離する
② 両辺をxで積分する→
※左辺は置換積分の公式により と等しい。
たったこれだけです。
それでは問題を1問といてみましょう。
3.変数分離形微分方程式の問題
それでは1問解いてみましょうか。
※以下の問題のリンクを開いてPDFを印刷することで試験風に解いていただくことも可能です。
問題
微分方程式 を解け。ただし、のとき、とする。
ちなみにこの問題は国家公務員採用一般職試験(技術系)の問題です。本来ならば公務員試験の問題は①~⑤までの選択肢から正解となる1つを選択しマークするのですが、今回は選択肢を外してみました。
それでは解答に入ります。
【解 答】
変数分離すると(上の解法の作業①)
両辺をxで積分すると(上の解法の作業②)
∴ (Cは積分定数)
、を代入して
∴
したがって
※
これより
解答の方をPDFにまとめましたのでご活用ください。
解答
どうでしたでしょうか?
この問題は国家公務員の採用試験の問題でしたが、難易度としては難しいものではありません。当然この1問を演習したとしても変数分離形をマスターしたとは言い難いでしょう。
大学の教科書、参考書などを用いていろいろな問題にもチャレンジして慣れていくといいでしょう。
次回は変数分離形の微分方程式を自然科学に応用した数理モデルを解いてみようとおもいます。ちなみに高校の物理でも習った空気抵抗のある自由落下に関する微分方程式です。
これに関しても誰かが発見した数理モデル(微分方程式)を解くだけですのでやることは凶の問題と同じです。
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前回は微分方程式についてほんわか紹介をしましたが、今回は微分方程式の代表的な例の1つである変数分離形というものを扱っていきたいと思います。
4月に大学(理工系学部)に入学しておそらく多くの大学では1年次に微分積分学や線形代数学などの大学教養数学を扱うと思います。初学者のかたはビビらずに頑張ってほしいとおもいます。今の高校生は数学C(主に行列)が今はないのでその状態で線形代数に突入していくのは少し難しいかもしれませんね。
1.変数分離形微分方程式とは
変数分離形の微分方程式とは、
のように、
y'=(xの関数)×(yの関数)の形で表すことができる微分方程式のことを言います。
また、
y'=y
という微分方程式もp(x)=1となる変数分離形の微分方程式と言えます。
変数分離形の微分方程式は代表例の1つですが、うまく変形すれば多くの微分方程式が変数分離形で解けてしまう事、そもそも解くのが簡単であることから、結構重要なものと思いますので紹介させていただきました。
次に変数分離形の解法を簡単に示します。
2.変数分離形微分方程式の解法
微分方程式の解法ですが、とてもシンプルでやる作業はおおまかにたったの
2つ
だけなんです。
① のように2つの変数を左辺と右辺に分離する
② 両辺をxで積分する→
※左辺は置換積分の公式により と等しい。
たったこれだけです。
それでは問題を1問といてみましょう。
3.変数分離形微分方程式の問題
それでは1問解いてみましょうか。
※以下の問題のリンクを開いてPDFを印刷することで試験風に解いていただくことも可能です。
問題
微分方程式 を解け。ただし、のとき、とする。
ちなみにこの問題は国家公務員採用一般職試験(技術系)の問題です。本来ならば公務員試験の問題は①~⑤までの選択肢から正解となる1つを選択しマークするのですが、今回は選択肢を外してみました。
それでは解答に入ります。
【解 答】
変数分離すると(上の解法の作業①)
両辺をxで積分すると(上の解法の作業②)
∴ (Cは積分定数)
、を代入して
∴
したがって
※
これより
解答の方をPDFにまとめましたのでご活用ください。
解答
どうでしたでしょうか?
この問題は国家公務員の採用試験の問題でしたが、難易度としては難しいものではありません。当然この1問を演習したとしても変数分離形をマスターしたとは言い難いでしょう。
大学の教科書、参考書などを用いていろいろな問題にもチャレンジして慣れていくといいでしょう。
次回は変数分離形の微分方程式を自然科学に応用した数理モデルを解いてみようとおもいます。ちなみに高校の物理でも習った空気抵抗のある自由落下に関する微分方程式です。
これに関しても誰かが発見した数理モデル(微分方程式)を解くだけですのでやることは凶の問題と同じです。
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